雑誌編集者の一脚Ⅱ
「エル・デコ」2015年4月号の「世界のエル・デコ編集長に”ひと目惚れ”の一脚を聴きました」から、選ばれた椅子を紹介します。
2回目の今回は、インドの編集長の”ひと目惚れ”の一脚から始めます。
1、「リーフ・シェーズ」 インド編集長
「リーフ・シェーズ」は、インドの「レッドブルー&イエロー」社の「プラミティ・マダヴィ」の作品です。
「リーフ・シェーズ」は、1枚板から彫り出された驚きの一脚であり、人間工学に裏打ちされ、自然に対する観察力が、有機的なフォルムを形作っている。 「プラミティ・マダヴィ」は、インドで活躍するデザイナーである。
2、「クリノレッテアームチェア」 ギリシャ編集長
「クリノレッテアームチェア」は、1962年に「アルテック」社から出された「イルマリ・タビオヴァーラ」の作品である。
「クリノレッテアームチェア」は、丈夫なバーチ材による従来の直線的なスポークチェアに、柔らかく滑らかにカーブを描くゆったりと広い座面を備えています。「クリノレッテ」というチャーミングな名前は、柔らかく広がるその形が19世紀に流行したふんわりと広がるペチコートを連想させることに由来しています。 「イルマリ・タビオヴァーラ」は、1914年にフィンランドのタンペレに生まれ、1934年に、「旧ヘルシンキ芸術デザイン大学インテリアアート学科(現、アールト大学)」に入学し、イギリス、フランス、スェーデンに見識を深めるために旅に出た。1935年に、ロンドンの「アルテック」社で働き、1937年に「旧ヘルシンキ芸術デザイン大学」を卒業した。卒業後、パリの「ル・コルビジェ」のオフィスで働いた。1938年には、「ASCO」社のアート部門長を務め、1941年には、「Kerava木工業」社のアート部門長を務めた。
3、「レーンシュトゥール」 ロシア編集長
「レーンシュトゥール」は、2014年にオーストリア発祥の「GTV(ゲブルーダー トーネット ヴィエーナ)」社から発売された「ナイジェル・コーツ」のデザインの椅子です。
「レーンシュトゥール」は、背もたれと座席のウィーンのわらと見事な黒漆塗り仕上げのスチームで曲げられたブナの木で構成されている。 「ナイジェル・コーツ」は、1949年に英吉利に生まれ、ウスターシャー州マルバーンの町で育った。1968年に「ノッティンガム大学」で学び、1972年から「建築協会」で2年間学んだ。1985年に「ダグ・ブランソン」と建築事務所を設立し、 2006年に彼自身の建築とデザインのスタジオを設立した。
4、「CH88」 タイ編集長
「CH88」は、1955年、スウェーデンのヘルシンボリで開催されたデザイン博「H55」に出展されたプロトタイプがオリジナルで、今まで生産されることはありませんでしたが、「ハンス J. ウェグナー」の生誕100年を記念して2014年に発表された椅子である。
「CH88」は、バックレストは、曲木技術を応用して、体をきちんと支えるようにされていて、ゆったりとくつろぐことが出来るようにデザインされている。4脚までスタッキングすることが可能である。 「ハンス J. ウェグナー」は、1914年に南ユトランド、トゥナーに生まれ、13歳から家具職人の下で修行を始め、1931年、17歳の時に指物師のマイスターの資格を取得した。兵役のためコペンハーゲンへ出て、兵役終もコペンハーゲンに残り、23歳で「コペンハーゲン美術工芸学校」に入学し、家具設計を専攻した。1938年に卒業。1940年から1943年にかけて、「アルネ・ヤコブセン」の事務所に勤務した。
☆参考
○「エル・デコ2015年4月号」