エルディション

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人気デザイナーの好きな椅子Ⅱ

前回に引き続き、有名デザイナーの好きな椅子を紹介します。

1、インガ・センペ

※「インガ・センペ」は、1968年にフランス・パリに生まれ、1993年にパリの「ENSCI・ワークショップ」を卒業し、2000年には「ヴィラ・メディチ」の 奨学金を得てローマの学校で学び、パリに自身のスタジオを開設した。

「インガ・センペ」が好きな椅子は、「ロナン&エルワン・ブルレック」の「スティールウッド・チェア」である。

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2007年のミラノ・サローネで発表され、たちまち世界の注目をあびたアームチェアで、名前のとおりスチールにビーチ材を組み合わせた素材の使い方が斬新で、ダイニングから書斎まであらゆるの空間に適応する汎用性の高い椅子である。2008年ケルン国際家具見本市「ベストデティル賞」を受賞、2001年に「コンパッソ・ドーロ賞」を受賞した作品である。

※「ロナン&エルワン・ブルレック」の「ロナン・ブルレック」は1971年に、「エルワン・ブルレック」は1976年に、共にフランス・フィニステールカンペールで生まれる。「ロナン・ブルレック」は、「アール・デコ」を卒業後すぐに働き、「エルワン・ブルレック」は、「エコール・デ・ボザール」の学生のころから兄の仕事を手伝い、1999年から正式に二人で仕事を始めた。

2、ピエロ・リッソーニ

※「ピエロ・リッソーニ」は、1956年にイタリア、ブリアンツァに生まれ、「ミラノ工科大学建築学科」を卒業し、1987年に「ニコテッタ・カネージ」と共に「スタジオ・リッソーニ」を設立した。

「ピエロ・リッソーニ」が好きな椅子は、「チャールズ&レイ・イームズ」の「イームズワイヤーチェア」である。 

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1951年に、デザインしたワイヤーメッシュで背面と座面を一体化したサイドチェアで、縦・横のロッドを交差させて造ったシェルを、ロッドを交差させて造ったエッフェルベースで支える構造になっている。

※「チャールズ&レイ・イームズ」の「チャールズ」は、1907年にミズリー州セントルイスに生まれ、1925年から1928年の間、「ワシントン大学」に通ったが、近代建築に過度に熱をあげ過ぎて退学になってしまう。1936年に、「エリエル・サーリネン」の招待で、「クランブルック美術アカデミー」に奨学生として入学し、後に同校のインダストリアルデザイン学科長として教鞭をとった。「レイ・カイザー」は、1812年カリフォルニア州サクラメントに生まれ、1831年にニューヨークに母親と移住して、美術学校に入学した。1840年に、ニューヨークを離れ、「クランブルック美術アカデミー」へ入学し、ここで「チャールズ・イームズ」と出会った。1941年、前の妻と離婚し、「レイ・カイザー」と再婚してロサンゼルスに移った。

3、フィリップ・二グロ

※「フィリップ・二グロ」は、1975年に、フランス、ニースに生まれ、「エコール・ブール」でプロダクトとインテリアデザインを学んだ。1999年からフリーで活動を開始する一方で、ミラノで「ミケーレ・デ・ルッキ」に師事した。

「フィリップ・二グロ」の好きな椅子は、「エンツォ・マリ」の「ボックスチェア」である。

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1971年に、イタリア家具メーカー「カステリ」社から発売されたこの椅子は、4本の脚、2本のステー、プラスチックの座面と背面に分解することが出来て、工具なしで組立も可能である。発売当初は、トートバックに入れて運べるようになっていた。1990年代からは、イタリア家具メーカーの「アレフ」社から復刻された。

※「エンツォ・マリ」は、1932年イタリア・ノヴァラ生まれ、「ミラノ国立ブレラ芸術学院」を卒業した。1956年より「ブルーノ・ムナーリ」らと共に「ダネーゼ」社のためのデザイン活動を開始し、プロダクトデザイナーとしてだけでなく、アーティスト、デザインの理論家等、幅広い活動を行う。コンパッソ・ドーロ賞を4回受賞している。トップブランドの作品を数多く手がけ、これ迄に製作した作品数は1,600点を超え、その内29点はニューヨーク近代美術館の永久所蔵品に選ばれています。

4、ベンジャミン・ヒューバート

※「ベンジャミン・ヒューバート」は、1984年にイギリスに生まれた新進気鋭の若手デザイナーである。彼は、「ラフバラ大学」で学び、2006年には「インダストリアルデザインアンドテクノロジー」を卒業した。2007年にロンドンで、「スタジオ」を設立し、ヨーロッパの国際的な製造業者と協力して、インダストリアルデザインを専門とした。

「ベンジャミン・ヒューバート」が、好きな椅子は「ヴェルナー・パントン」の「パントンチェア」である。

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「パットンチェア」は、1960年にデザインされた世界初のプラスチック一体成型の椅子で、彼は、北欧の伝統的技法を嫌って、デザイナーを束縛せず、安く生産できるプラスチック素材に魅了されて誕生した。

※「ヴェルナー・パントン」は、1926年にデンマーク、ガムトフト生まれ、1951年に「コペンハーゲンの王立美術アカデミーを卒業し、「アルネ・ヤコブセン事務所」で働き、1955年に建築デザイン事務所を開設した。「ポール・ヘニングセン」や「アルネ・ヤコブセン」との出会いをとおして伝統的なデンマークデザインの経験を積んだのち、世界の家具メーカーと協同して独創的な名作デザインを世に送り出した。

 

今回は、「エル・デコ2015年4月号」、「インテリアホビーの家」ブログ他を参考に紹介しました。

 

☆参考(楽天市場

〇「ロナン&エルワン・ブルレック」の「スティールウッド・チェア」 

〇「チャールズ&レイ・イームズ」の「イームズワイヤーチェア」

〇「ヴェルナー・パントン」の「パントンチェア」