エルディション

エルディションとは、博学の意味ですが、雑学程度の情報の紹介

ガウディのサグラダ・ファミリア

サグラダ・ファミリア」は、カタロニア・モダニズム建築の代表作品で、建築家「アントニ・ガウディ」の未完成の作品である。バルセロナ市のシンボルであるこの建物は、綿密に構成された象徴詩的なシンボロジーと共に、パラボリックな構造のアーチや、鐘楼に据えられた彫刻などで、大胆な建築様式を誇っている。

 贖罪教会のために、資金調達は信者の喜捨に頼ってきた。資金不足により工事が遅々として進まない状況であったが、9代目設計責任者の「ジョルディ・ファウリ」は、ガウディの没後100年にあたる2026年に完成予定と発表している。

  
   サグラダファミリア 完成イメージ Sagrada Familia The completed image

サグラダ・ファミリア」は、民間カトリック団体「サン・ホセ教会」が贖罪教会として計画し、初代建築家「フランシスコ・ビリャール」が無償で設計を引き受けた。1882年3月19日に着工したが意見の対立から翌年にビリャールは辞任した。その後を引き継いで2代目建築家に就任したのが、「アントニ・ガウディ」であり、設計を一から練り直し、1926年に亡くなるまでライフワークとして「サグラダ・ファミリア」の設計・建築に取り組んだ。 ガウディは、模型と、紐と錘を用いた実験道具を主に使って「サグラダ・ファミリア」の構造を検討したとされる。

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「ガウディ」の死後、1936年に始まったスペイン内戦の戦禍により、「ガウディ」の構想を伝える資料が散逸したことで、建造を続けるべきかという議論があったが、職人による口伝えや、外観の大まかなデッサンなど残されたわずかな資料を元に、その時代の建築家が、「ガウディ」の設計構想を推測するといった形で引き続き行われた。

東側の「生誕のファサード」では、キリストの誕生から初めての説教を行うまでの逸話が彫刻によって表現されている。

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3つの門によって構成され、「中央の門」を構成する柱の土台には、変わらないものの象徴として「亀」が彫刻され、中央の柱の土台には、リンゴをくわえた「蛇」が彫刻されている。また、門の両脇には変化するものの象徴として「カメレオン」が配置されている。「中央の門」では、受胎告知、キリストの降誕、祝福をする天使などが彫られていて、「左の門」では、聖家族のエジプトへの逃避、父ヨセフの大工道具などが彫られ、「右の門」には、母マリア、イエスの洗礼などが彫られている。

西側の「受難のファサード」には、イエスの最後の晩餐からキリストの磔刑、キリストの昇天までの有名な場面が彫刻されている。

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東側とは全く異なり、現代彫刻でイエスの受難が表現されており、左下の最後の晩餐から右上のイエスの埋葬まで「S」の字を逆になぞるように彫刻が配置されている。そして鐘楼を渡す橋の中央に昇天するイエスが配置されている。

創建当初は、ヨーロッパの教会建築の伝統的な工法の組積造で行われて来たが、現在では一部にRC造が導入され、こうした工法の変化に伴って建築現場から離れた彫刻家や職人もいたし、また伝統的な工法からRC造に変えた事を批判する建築家や彫刻家も多く存在することになったが、「ガウディ」没後100周年目の2026年には」完成すると公式発表された。

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この予定が現実となれば、1980年代に見込まれた約300年という建築期間は、その後の30年で半減し、約144年の工期で完成することになる。

今回は、「Wikipedia」他を参考に紹介しました。

☆参考

サグラダ・ファミリア

 

○ガウディ

 

○ガウディと井上雄彦

○ガウディ